年明けから小学生から高校生まで、さまざまなクラブやスクールのトレーニングを視察させていただきました。
カテゴリーごとに異なる選手たちのプレーを間近で見られること、そしてスタッフの方々が快く受け入れてくださることで、コーチングのタイミングや内容、選手たちの目や姿勢から伝わる熱量まで、非常に多くの学びを得る時間となりました。
一方で、どのカテゴリーでも共通して目にしたのが、ほぼすべてのプレーを利き足のみで行っている選手がとても多いという現実です。
ボール扱いの技術自体は一昔前の選手たちと比べても格段に高く、「本当に上手い」と素直に感じます。
ただ、外から見ていると次のプレーが予測されやすい選手も多く、常に利き足側にボールを置くことで、対峙するディフェンスにコースを読まれやすくなっている印象を受けました。
プレーの幅も狭まり、逆足が使えないことでパスコースが限定されたり、カットイン時に逆サイドへ展開できなかったりする場面も見られます。
「利き足偏重」という言葉が強調される中で、スクールでも実際に利き足を重点的に使うトレーニングを組み込んだ時期もありました。
一定期間継続すれば、利き足のスキルが伸びることは確かに実感できました。
その一方で、ジュニア年代の指導現場に蔓延する「利き足偏重」は、裏を返せば大きな弊害も生んでいるのではないかと感じています。
指導者であれば、目の前の選手たちをプロサッカー選手へ導きたいという思いは誰もが抱いているはずです。
ただ、現代のトップレベルのサッカーでは、30m四方ほどの狭いエリアで10vs10のような密度の高い局面が当たり前になっています。
この時代背景を考えると、利き足のみでプレーすることを強調しすぎる指導は、かえって選手の可能性を狭めてしまうリスクもあるという二面性を、指導者は理解した上で向き合う必要があると感じます。
最近は2対1のトレーニングとは別に、緩急を織り交ぜたドリブルやターンを用いたボールキープのトレーニングも継続しています。
基本はボールと相手の間に身体を入れてプレーすることですが、利き足しか使えないと、相手が右から寄せてきているにも関わらず右足でプレーし、相手と自分の間にボールが出てしまい奪われるシーンも散見されます。
往年のバルサを支えたシャビやイニエスタも、すべてを利き足だけでプレーしていたわけではありません。
ただ、彼らが圧倒的なのは、2タッチ目以降のプレーはほぼ利き足で行っていたこと。
つまり、仕掛けは利き足で行うために、逆足を使ってでも“利き足で触れる位置”にボールを置く準備を徹底していたのです。
こうして整理してみると、日本のジュニア年代の選手たちとの差は、立ち位置や身体の向き、ボールの置き所へのこだわりにあるように感じます。
身体の向きや立ち位置を少し変え、相手を見ながらボールの置き所を調整し、ファーストタッチが逆足でも必ず次は利き足で触れる位置に置く。
この細部へのこだわりこそが、世界基準との差なのかもしれません。
スキル習得に限界はありません。だからこそ、ジュニア年代のスキルトレーニングは決定的に重要です。
この年代でどれだけ“考えて技術を身につける経験”を積めるかが、その後の伸びしろを大きく左右します。
改めて、育成年代における技術指導の責任の重さを実感する日々です。