指導者として10年目、まだまだ日々勉強の途中ではありますが、私はスクールでの指導や自チームでの活動と並行して、ジュニアユース(3種)や中体連の指導者との情報交換を積極的に行っています。
その内容は、もちろんサッカーにおけるスキルや戦術のこともありますが、それ以上にオフザピッチの部分の話が非常に多いというのが正直なところです。たとえば定期テスト前になると大会前でも休む選手が多いこと、フィジカルトレーニングの時間に合わせて塾を入れてしまい、コンディションが整えられないこと、あるいは内申点の問題など、サッカー以前に立ちはだかる現実的な課題は数多く存在します。
私自身、「サッカーだけ強くなればいい」というスタンスで指導にあたったことは一度もありません。
高校でプレーを終えると決めていて、冬の選手権にすべてをかけるような選手なら話は別ですが、3種から2種、そして1種へとプレーの場を広げていくには、大学サッカーという選択肢が非常に重要になります。
ですが、大学のサッカー部からスポーツ推薦や特待生としてスカウトされる選手はほんの一部。大半の選手は、自力で大学進学を目指さなければなりません。しかも、たとえ合格しても入部できる保証があるわけではない。そう考えたとき、そもそもサッカーを長く好きでいてもらうこと、そして学力を並行して伸ばすことが、日本でサッカーを続けるうえで非常に大切な要素だと私は思っています。
話が少し逸れましたが、目の前の結果に一喜一憂するチームや指導者、あるいは保護者の方々だけでは、子どもたちが持つ本来の可能性が、どこかで“精神的に”疲弊してしまうのではないかと感じています。
サッカーを好きになってもらうためには、「できることをひとつでも多く増やしていく」ことが何よりの近道です。
たとえば、幼少期から体格に恵まれた選手がフィジカルに頼るサッカーに偏ってしまうと、あるいはスピードだけを武器にプレーしていると、高校年代で一気に通用しなくなるという話はよくあります。
先日行われた6年生大会、5年生大会を観ていても、プレーの雑さがどうしても目につきました。
PROFESSOでは、「走る練習」からあえて「技術練習」に切り替える意図があります。そこでは技術力だけでなく、認知・判断の質が求められるからです。
3種でも「走りが多いクラブは避けたい」と言われることもあるようですが、サッカーは走るスポーツです。走らないサッカーは、サッカーではありません。
ただ、その「走ること」や「勉強すること」も含めて習慣を身につけていくことは、決して簡単ではありません。
ジュニアユースのタイミングからサッカーも勉強も両立を目指そうとしても、時間は足りません。これは私の個人的な見解ですが、サッカーの結果、学力の結果、そして高校進学を見据えた時期に、どちらを優先すべきかを迫られる局面は必ず来ると思っています。
だからこそ、小学生のうちから、サッカーだけでなく学力的な基礎を築くことは決して早すぎることではありません。
むしろ、今だからこそできることです。そしてそれは、難しいことでもありません。
どちらも大事にするPROFESSOで、子どもたちの可能性を広げるサポートが少しでもできたら嬉しく思います。