10月を迎え、いよいよ日本サッカーは年度の集大成となる公式戦が目白押しのシーズンに入りました。
ジュニアは市区内大会、ブロック中央大会予選、ジュニアユースはTリーグと並行して高円宮杯予選、高校は全国高校サッカー選手権予選、大学は後期リーグ。社会人やJリーグも佳境を迎え、1試合ごとの結果を追う方も多い季節です。
結果だ!育成だ!と二元論的に語られがちですが、ジュニア年代で本当に重要なのは「育成」です。
「結果」が大事なのは、実際にプレーする選手たちでしょうか?
それとも、それを取り巻く大人たちでしょうか?
結果が出なければ困るのは誰でしょう?
チームや学校が「選ばれなくなる」ことに戦々恐々としているのは、子どもではなく大人ではありませんか?
ジュニア年代で強いクラブに所属していないと進路が開けない…と心配している保護者の方も多いと思います。
ですが、大事なのは環境そのものではありません。
もし小4からJ下部組織で育ち、Jユース → 強豪大学と進めばプロになれるのだとしたら、今ごろプロ選手であふれているはずです。現実はどうでしょうか?
今、強いクラブやスクールに行って安心できるのは、「その環境に身を置いているから」であり、それは進路や可能性を保証してくれるものではありません。
だからこそ、環境を見るのではなく、「自分に矢印を向ける」指導をしているかどうかが大切なのです。
環境はいくら変えても、自分自身が変わらなければ結果は変わりません。
これはどのカテゴリー、どの競技にも共通する真理です。
進路に悩む選手や保護者の皆さん、安心してください。大切なのは、今いる環境の良し悪しではなく、その中で「自分がどう向き合うか」です。
この時期だからこそ、周囲の結果に振り回されるのではなく、じっくりと育成の本質を見つめていきましょう。